2022年プロ野球ペナント予想に向けて ドラフト会議パリーグ編
2022年ペナント予想に向けて、ドラフト会議での結果を見ていく。 2回目はパリーグ編。今回もあくまでも来年のペナントにフォーカスし、来年の順位を正確に予想するための評価に徹する。もちろん数年後を見据えたドラフトも評価すべきだと思うが、今回は考慮しない。また、育成選手も即戦力ではないため考慮外とする。
【パリーグ】
・オリックス・バファローズ
1位 椋木蓮(東北福祉大) 投手 右右
2位 野口智哉(関西大) 内野手 右左
3位 福永奨(國學院大) 捕手 右右
4位 渡部遼人(慶應義塾大) 外野手 左左
5位 池田陵真(大阪桐蔭高) 外野手 右右
6位 横山楓(セガサミー) 投手 右両
7位 小木田敦也(TDK) 投手 右右
■ドラフト評価 95点 下馬評を覆し、今年優勝を果たしたオリックス。特に先発投手、内野手の若手選手の活躍が著しい印象で、その中で適切に補強ポイントを指名してきた印象。1位はMAX154キロの椋木を指名。先発・リリーフどちらでも対応できるタイプの評価だが、リリーフがメインか。下位指名の社会人投手、横山楓、小木田もリリーフが予想され、弱点への対策を明確に意識したものだ。課題の捕手も3位で、4年時秋に東都大学リーでMVP&ベストナインを受賞した福永を指名した。守備型でバッティングが売りではないが、4年生で伸びてきている選手であり、そこを評価したのだろう。7選手の指名中、大卒4選手、社会人2選手で来年が勝負の年と考えているだろうドラフトで、取り逃した日本一を目指す意思を感じた。
・千葉ロッテマリーンズ
1位 松川虎生(市和歌山高) 捕手 右右
2位 池田来翔(国士舘大) 内野手 右右
3位 廣畑敦也(三菱自動車倉敷オーシャンズ) 投手 右右
4位 秋山正雲(二松学舎大附高) 投手 左左
5位 八木彬(三菱重工West) 投手 右右
■ドラフト評価 75点 2年連続2位のロッテ。来年優勝を目指すのであれば、手薄であり、豊作だった大学左腕を狙うと考えたが、1位指名は松川捕手。ロッテの捕手は明確に弱点で、打率1割以下の加藤を先発で起用していたことからも、その苦しさが伺える。田村の復活に望みを託す方法もあったが、近年のドラフトで若手に有望選手が多いことから、潔く将来性をとったのだろう。シーズン順位が下位であれば、2巡目での指名もあり得たのかもしれないが、井口監督が、城島健司2世と評価していることもあり、2巡目下位には残らないと判断し、単独指名に踏み切ったのだろう。井口監督は長期政権となるかもしれない。2位の池田は中村奨吾の後継者候補。3位にドラ1候補でもあった廣畑を指名できたことは大きく、来年に向けてもなんとか戦力は整ったか。
・東北楽天ゴールデンイーグルス
1位 吉野創士(昌平高) 外野手 右右
2位 安田悠馬(愛知大) 捕手 右左
3位 前田銀治(三島南高) 外野手 右右
4位 泰勝利(神村学園高) 投手 左右
5位 松井友飛(金沢学院大) 投手 右右
6位 西垣雅矢(早稲田大) 投手 右左
7位 吉川雄大(JFE西日本) 投手 右右
■ドラフト評価 40点 FA補強に積極的で主力選手はベテランが多い楽天。勝負の数年が始まっている印象だが、1位指名は高卒外野手の吉野を指名したことには驚いた。2巡目でそれほど事前評価が高くはなかった捕手の安田を指名したこともサプライズで、パリーグの中では、一番の独自路線指名と言えるだろう。下位指名選手も未完成の選手が多い印象で、来年優勝を目指す指名には思えず、かといって、投手陣の若返りや右打ち野手の指名にこだわったようにも見えなかった。この指名の本質は石井GMのみぞ知るところか。
・福岡ソフトバンクホークス
1位 風間球打(明桜高) 投手 右左
2位 正木智也(慶應義塾大) 外野手 右右
3位 木村大成(北海高) 投手 左左
4位 野村勇(NTT西日本) 内野手 右右
5位 大竹風雅(東北福祉大) 投手 右左
■ドラフト評価 50点 1位は事前に公表していた風間を公言通り指名。甲子園でもピッチングを見たが、完成度の高いタイプではなく、奥川(ヤクルト)よりも時間がかかる印象。2位は慶大の主砲正木を指名。4年生でかなり成績を落としていたことが気になるところ。3位の木村は高卒左腕の中では事前評価は高かった印象で、この順位での獲得できたのは良かったと言える。本指名は5選手と少ないが育成で14選手といつも通りの形となり、即戦力よりも育成を見据えた指名となった。
・埼玉西武ライオンズ
1位 隅田知一郎(西日本工業大) 投手 左左
2位 佐藤隼輔(筑波大) 投手 左左
3位 古賀悠斗(中央大) 捕手 右右
4位 羽田慎之介(八王子学園八王子高)投手 左左
5位 黒田将矢(八戸工大一高) 投手 右右
6位 中山誠吾(白鴎大) 内野手 右左
■ドラフト評価 100点 今年のドラフトで最も評価したのが西武だ。毎年の課題と言われている投手陣だが、今年も平均失点がリーグで最も多く、改善の兆しが見られなかった。また、左の先発投手がいないチーム事情がある中で、競合の末に大学NO1投手とも言われていた隅田を引き当てたのは大きい。2位では、こちらも大学トップクラス左腕でドラ1候補でもあった佐藤を指名し、課題にピンポイントでアプローチしてきた格好だ。また、3位で大学NO1捕手の評価だった古賀も指名することができ、大成功と言えるドラフトだろう。
・北海道日本ハムファイターズ
1位 達孝太(天理高) 投手 右右
2位 有薗直輝(千葉学芸高) 内野手 右右
3位 水野達稀(JR四国) 内野手 右左
4位 阪口樂(岐阜第一高) 内野手 右左
5位 畔柳享丞(中京大中京高) 投手 右右
6位 長谷川威展(金沢学院大) 投手 左左
7位 松浦慶斗(大阪桐蔭高) 投手 左左
8位 北山亘基(京都産業大) 投手 右右
9位 上川畑大悟(NTT東日本) 内野手 右左
■ドラフト評価 30点 清く来年を捨てて将来を見据えた指名。具体的には新球場完成までに戦力を整えたいといったところだろう。12球団で最も多い9人を指名だったが、上位は高卒を指名。1位の達は、現時点では高卒BIG3からは一枚落ちる評価だが、個人的には一癖あるとされる性格もプロ向きで、日本ハムに合いそうな印象もあるので、良い指名だったと思う。他も将来を見据えた良い指名だったと思うが、ここではあくまで来年に向けた戦力を評価するため、12球団最低点とした。