2022年プロ野球ペナント予想に向けて ドラフト会議セリーグ編
2022年ペナント予想に向けて、まずはドラフト会議での結果を見ていく。
今回はセリーグ編。ドラフト会議を評価するのは最低5年後と言われているが、ここではあくまでも来年のペナントにフォーカスしているので許してほしい。また、育成選手も考慮外とする。
【セリーグ】
・東京ヤクルトスワローズ
1位 山下輝(法政大) 投手 左左
2位 丸山和郁(明治大) 外野手 左左
3位 柴田大地(日本通運) 投手 右右
4位 小森航大郎(宇部工高) 内野手 右右
5位 竹山日向(享栄高) 投手 右右
■ドラフト評価 75点 今年の大学No1投手の評価だったドラフト1位で隅田を抽選で外し、その後山下を指名。左腕投手の不足を解消しようという意図が感じられる。188センチ、100キロの大型左腕だが、1年生の時にトミー・ジョン手術を受け、フルで出場したシーズンがないだけに丈夫さに不安がある。ただ言い換えると大学時代に使い過ぎてはいないためプラスに考えてもいいだろう。2位は外野手が高齢化している台所事情もあり、機動力タイプの丸山を指名。3位はMAX156km/hの柴田を指名。大学社会人で実績は少ないが、リリーフ候補として指名だろう。来期という視点で見ると、上位指名が大社で補強ポイントも抑えているが、即戦力の印象は薄く、理想の選手を指名できたとは感じなかったので、75点とする。
・阪神タイガース
1位 森木大智(高知高) 投手 右右
2位 鈴木勇斗(創価大) 投手 左左
3位 桐敷拓馬(新潟医療福祉大) 投手 左左
4位 前川右京(智弁学園高) 外野手 左左
5位 岡留英貴(亜細亜大) 投手 右右
6位 豊田寛(日立製作所) 外野手 右右
7位 中川勇斗(京都国際高) 捕手 右右
■ドラフト評価 85点
去年のドラフトで大成功していると言っていいであろう阪神は、今年も補強ポイントを押さえてきた印象。ドラフト1位こそ高校生No1評価の小園を抽選で外したが、同じく高卒のMAX154km/h右腕森木を指名。森木と言えば、中学時代に150km/hを出したことで騒がれた記憶があるが、しっかりドラフト1位として成長した。風間も含め、高卒右腕3人は評価に大きな差はなかった印象でくじを外したダメージは他と比べると少なかったと思う。2位以降で現実路線の補強ポイントである左腕2名を獲得し、5位にリリーフ候補の大卒変則右腕岡留も指名できていることから、投手については来期に向けて正しい補強ができており、野手が今年並みの活躍ができてば来年もAクラスは間違いないだろう。
・読売ジャイアンツ
1位 翁田大勢(関西国際大) 投手 右右
2位 山田龍聖(三菱重工) 投手 左左
3位 赤星優志(日本大) 投手 右右
4位 石田隼都(東海大相模高) 投手 左左
5位 岡田悠希(法政大) 外野手 右左
6位 代木大和(明徳義塾高) 投手 左左
7位 花田侑樹(広島新庄高) 投手 右左
■ドラフト評価 85点
毎年くじを外している印象の巨人。今年も隅田を外してしまった。外れ1位も吉川、高橋がなんとか戦力となっているくらいの印象だ。今回は、補強ポイントの投手を徹底的に狙ってきた。1位の翁田は事前評価はそれほど高くなく、制球に課題もある印象だがストレートが評価されていた投手。他球団のように継続して左腕指名にこだわらなかったのがどう影響するか。ただ2位で左腕の山田、3位で翁田より評価が高かった印象の赤星を指名するなど来期優勝に向けて指名をしていた印象。1位の翁田次第か。
・広島東洋カープ
1位 黒原拓未(関西学院大) 投手 左左
2位 森翔平(三菱重工) 投手 左左
3位 中村健人(トヨタ自動車) 外野手 右右
4位 田村俊介(愛工大名電高) 内野手 左左
5位 松本竜也(Honda鈴鹿) 投手 右右
6位 末包昇大(大阪ガス) 外野手 右右
7位 高木翔斗(県岐阜商高) 捕手 右右
■ドラフト評価 70点
最近のドラフトで2年連続新人王を輩出しており、最も成功していると言っていい広島。今年は左腕投手が補強ポイントとしていたが、2回連続でくじを外してしまった。ただそれでも左腕投手にこだわり指名しており、巨人との指名に違いを見せた。3位と6位の社会人外野手指名は鈴木のポスティングに備えた動きだろう。大社中心のドラフトで来期勝ちにいく姿勢を見せたが…。広島スカウト陣の眼力を信じるしかないだろう。
・中日ドラゴンズ
1位 ブライト健太(上武大) 外野手 右右
2位 鵜飼航丞(駒沢大) 外野手 右右
3位 石森大誠(火の国) 投手 左左
4位 味谷大誠(花咲徳栄高) 捕手 右左
5位 星野真生(豊橋中央高) 内野手 右右
6位 福元悠真(大商大) 外野手 右右
■ドラフト評価 55点
今年一番特殊なドラフトをした中日。1位2位が外野手なのはかなり珍しく、指名に決意を感じた。確かに今年の打者成績は寂しく、球場が広いため、野手の成績が伸びにくい面があるとは言え、若手の有望野手を指名したい思いは理解できる。ただ中日が強かったときは、投手を中心に1点を守り勝つ野球をしている印象で、ここまで偏らせる必要があったかは疑問がある。コロナで外国人スカウトが難しいことや、金銭面不足の問題があってのこの方針なのかもしれないが、個人的には評価は低い。
・横浜DeNAベイスターズ
1位 小園健太(市和歌山高) 投手 右右
2位 徳山壮磨(早稲田大) 投手 右右
3位 粟飯原龍之介(東京学館高) 内野手 右左
4位 三浦銀二(法政大) 投手 右右
5位 深沢鳳介(専大松戸高) 投手 右右
6位 梶原昂希(神奈川大) 外野手 右左
■ドラフト評価 40点
上位が高卒中心の未来を見据えた指名。高校No1投手の小園を指名できているので、本来であれば高評価なのだが、来年から即1軍で活躍できるレベルではないと感じているため、ここでの評価は低い。他の指名選手を見ても、2位の徳山は高値掴み感があり、4位の三浦も4年次の成績は良くはなかった。2人とも大学1年生から活躍している投手だが、伸び悩んでいる印象の選手で、このドラフトからは来年優勝すると印象は持てなかった。